「マーケティングは他社の強みを捨てることから始まる」プロローグ

「マーケティングは他社の強みを捨てることから始まる」のプロローグを公開します。

「マーケティングのことが、よくわからない!」
「マーケティングを学んだことはあるが、実践で使えない!」
「マーケティングを学び、何かを変えてゆきたい!」
「いつか自分でヒット商品を生みだしてみたい!」

 だから私は本書にこんな目標を設定した。

「どの書籍よりもわかりやすく、しかも真のマーケティン
グについて学べる本を書こう!」
「知識ゼロからマーケティング戦略を作り上げることが
できるよう、シンプルなノウハウを満載した本を書こう!」
「読んだ人が本当にヒット商品を作りあげてしまう。それが現実
となるような本を書こう」

 さて、この目標を達成するためには、実はどうしてもや
らなくてはならないことがある。

 それはあなたの常識の壁に、風穴を開けることだ!

● その常識が危ない!

 本書はよくあるマーケティングの入門書ではない。どち
らかと言えば逆説的なマーケティング本だ。

 「真」のマーケティングを理解してもらうためには、あな
たが正しいと思い込んでいる、その常識が邪魔になる。
 だから本書ではあなたの知っている常識を一から疑ってゆ
くことにした。

 実はあなたが正しいと信じてきた常識には、多くの危険
な罠が仕掛けられている。
 ほとんどの人はその罠に気づかないまま、売れない・儲
からない商品を生みだし続けている。
 そのことを私は、誰よりもよく知っている。なぜなら私
自身がその罠にどっぷりとはまっていたからだ。

● 私はマーケティングのマの字も知らなかった
 
 ここで少しだけ自己紹介をさせていただこう。
 
 私は18年間、商品開発とマーケティングの現場で実践
経験を積んだ後に、現在はマーケティング・コンサルタン
トとして活動している。専門は「商品開発」と「コミュニ
ケーション」である。  
 また、一方では専門家と共に、医師のための知的財産戦
略の支援サービスを立ち上げ、医療と社会に貢献できる製
品の創出をお手伝いさせていただいている。

 ビジネスパーソンとしての最終経歴は、1部上場企業の
戦略マーケティング部長。約6年間その任を務めた。

 任期中には開発予算を持たない、わずか数名の小プロジ
ェクトから、年間10億円、生涯獲得金額は100億円
を超えるであろう商品群も創出した。
  
 さぞかし、マーケティングに関するエリート教育を受け
てきたのだろうと、あなたは思ったかもしれない。

 しかし、私はマーケティングを学問として学んだことが
一度もない。

 18年前、私はあるベンチャー企業の商品企画部の企画
マンとして実践デビューしたのだが、マーケティングの知
識ゼロということが、かなりのネックになった。

 マーケティング用語辞典がなければ、自社の企画会議の
会話ですらチンプンカンプン。本当にマーケティングのマ
の字も知らない落ちこぼれだったのだ。

 こんな私だからこそ、マーケティングのことがよく理解
できない!というあなたの気持ちが痛いほどよくわかる。
 そしてどこで、勘違いをし、どこで罠にはまり、そして
どのように失敗してゆくのか?そのすべてを実体験とし
て知っている。

●マーケティングは、あなたのためにある!

 私はこれまでの自らの勘違いをさらけだすつもりだ。も
しあなたが同じ勘違いをしているならば、あなたは自分
自身のことに置き換えて考えることができるはずだ。また
そうすることでマーケティングの意義を理解し、実践に
移せることだろう。

 マーケティングは学者や、作家や、コンサルタントや、
マーケティングセクションのためのものではない。
 マーケティングを学び、何かを変えたい!と真剣に願っ
ている人のためにある。

 だからあなたが経営者であれ、営業部長であれ、商品開
発部員であれ、営業マンであれ、店舗スタッフであれ、マ
ーケティングを自分の味方にしたい!とさえ願い、本書を読
み進めていただければ、その望みは必ずかなうものと信
じている。

 さあ!これからひとつずつ真のマーケティングの扉を
開いてゆこう!