今日は私が10年前に18年間、勤務していた会社の名誉会長のお別れの会に参加させていただきました。
参加させていただいたこと、心より感謝申し上げます。
お別れの会での現社長の挨拶は私にとって、18年間を走馬灯のように思い出させていただけるものでした。
「私どもにとって常に厳しく暖かい指導者であり、事にあたっては信念と決断の人でありました。日頃、何よりもまず仕事に対する誠意を重んじられ、ご自身にも厳しい方でした」
この短い言葉に18年間の私の名誉会長との思い出のすべてが詰まっているといっても過言ではありません。
本当に厳しい人でした。本当に暖かい人でした。
お別れの会では約10年ぶりに今も会社で頑張っていらっしゃる先輩や同僚、後輩の方々に再会することができました。
「森本さんお久しぶりです!僕は今「〇〇」に関する事業を立ち上げてそれを担当してるんですよ」
現役時代に一緒にプロジェクトを進めていた方が私に話しかけてくれました。
「そうですか。でもその企画を僕たちが立案した頃には会長にずいぶんと叱られたんですよ」
「もちろんその噂は有名でしたから、今回はしっかりとプレゼンテーションして、『やりたいんです!やらせてください!』とお願いしたら『それならやってみなさい』と言っていただけたんです」
「そうですか。それはさすがですね!」
退職してからの10年間を僕は知りません。
会社の方針がどのように変化したのか、そして会長の心境がどのように変化したのかも。
でもお別れの会の帰り道、愛媛へと向かう道中で私は大切なことに気づきました。
あの時、僕たちは本気でその企画を立てていた訳ではなかったと言う事を。
たまたま調査の過程で儲かりそうな分野である事が分かり、急遽、その企画を立案したことを。
なんだかんだ言っても儲かるのだから経営者も喜んでくれるだろうと考えていたことを。そして私自身がその事業を本気でやりたいと思っていなかったことを。
そんな大切なことを今さらながら思い出しました。
会長は仕事への誠意を重んじる方でした。いつでもそれはブレることなく。
あの時の僕たちはその仕事に誠意を持ってはいなかった・・・
「森本くん、君は今ごろ、それに気づいたんですか?でも気付いたのならいいです。これからは本気でやりなさい。本気でやれば必ずたくさんの人が君を助けてくれます」
大きな声で、大きな笑顔で、まだ若かった頃の私に語りかけてくださったあの会長の声がどこからか聞こえてくるようでした。
「仕事に対する誠意」
それは今の私にとって最大最強の武器になりました。
その武器を糧に今日も生きています。
ありがとうございました。
心からの感謝を捧げさせていただきます。
マーケティングインストラクター 森本尚樹