横浜馬車道の本社、サテライトオフィスの周辺には隠れ家のような場所がいくつもあります。ここはゴールデンウィークでも人が押し寄せることはありません。
静かにたくさんのことを考えることができます。
さて、「私はマーケティングのマの字も知らないんですが、マーケティングの基礎を学べるよい本はありませんか?」そう聞かれることがよくあります。
難しい質問です。拙著「マーケティングは他社の強みを捨てることから始まる」はぜひ読んでいただきたいのですが、どちらかと言えば逆説的なアプローチの実践本なので、完全に基礎を学べる本とは言い難い部分があります。
そもそも論として基礎など学ぶ必要があるのか?マーケティングの基礎とは何か?という疑問は残ります。そうした意味では拙著はマーケティングの真実を知りたい人にはお勧めできる本だと自負しています。
ここで私なりの「マーケティンの基礎」なるものを纏めてみたいと思います。
1.人はなぜ商品を購入するのか?
それは自らが抱える何らかの問題を解決したいからです。
すべての商品はお客さまの問題解決のためだけに存在します。
「商品=問題解決」これがすべての出発点です。
2.マーケティングとは何か?
書籍の中で私はマーケティングの日本語訳を「売れる・儲かる仕組みを作ること」と論じさせていただきました。
Marketing は分解すると「Marketにingする」となります。
つまり「市場」に「何らか」の働きかけをすること。
何のために?それは「お客さまから選んでいただくために」と理解してください。
3.マーケティングにおける戦略と戦術とは?
(1).どのようなターゲットに
(2).どのような問題解決策(製品やサービス)を販売するのか?
(3).ライバルのどのような弱みを突き、
(4).自社のどのような強みを生かすのか?
(5).どのように製品やサービスを差別化するのか?
上記がマーケティングにおける「基本戦略」です。
「戦術」とは主に上記の「基本戦略」の伝達の方法と、それを組み合わせた購入までのプロセスだと言えます。
例えばそれは広告、インターネット広告、DM、ホームページ、ランディングページ、メルマガ、ステップメール、ブログ、営業、チラシ、フライヤー、ポスター、SNS、書籍、パブリックリレーションズ、セミナー、体験会、紹介カードなどなどなど、その方法はたくさんあります。
いずれも、まずはお客さまに商品の存在を「認知」していただき、「興味」を持っていただき、場合によってはインターネットで「検索」していただき、購入又は利用の「欲求」をたかめていただき、最終的に「購入行動」を起していただくためのパーツとプロセスです。
戦術は新手のものから古典的なものまでさまざまです。戦術に関してはたくさんの書籍、たくさんの専門家、たくさんの業者がいます。同時に効果も年単位、月単位で変化します。
だからこそ弊社では戦術に縛られず、クライアントにとって最適な最新の戦術を選択しています。
4.仮説検証サイクル
戦略と戦術の関係性できわめて重要なことは「戦略の失敗を戦術ではカバーすることはできない」と言うことです。
例えば「学習塾のDMを、子供がいない家庭や単身者のターゲットリストに郵送した場合、いくら心理学的に且つクリエイティブに優れたDMでも反応はおそらくゼロになる」と言うことです。上記は極端な例ですがよく起こす間違いです。
マーケティングを成功させるためには、いきなり戦術に大きな経費を投下せず、小さくテストをしてみることをお勧めします。
何度も何度も仮説戦略を立てては、それを小さく検証してうまくいく成功のシナリオを発見することが重要です。これを「仮説検証サイクルを回す」と言います。
誰かの成功事例をそのままコピーすれば成功する、ということもありますが、私の経験では90%以上の事例で単にコピーしただけではうまくいきませんでした。
特に戦術だけをマネしてもほとんどのケースは失敗します。
繰り返しますが「戦略の失敗は戦術ではカバーできない」のです。
でも仮説検証サイクルを回せば必ず成功のシナリオは見つかります。必ずです。
でも戦略は10回に1回くらいしか成功しません。言い換えれば9回失敗すれば10回目には必ず成功するということです。ポイントはいい失敗をすることです。
ほとんどのケースは仮説検証サイクルを小さく回すことを知らずに資金が尽きてしまうか、又は1・2回の失敗で気力を失い仮説検証サイクルを回すことを放棄してしまいます。
5.マーケティングリーチ
ところでマーケティングのことを「調査(リサーチ)」のことだと思っている方が一定数いらっしゃいます。
またマーケティングのことを「広告」のことだと思っている方もいらっしゃいます。
いずれもマーケティングの一部に過ぎません。
ただ「調査(リサーチ)」することは成功への近道になる場合があります。
注意していただきたいのはお客さまに「どのような商品なら購入していただけますか?」とは絶対に聞かないことです。
人は自分が抱える何らかの問題を解決するために商品を購入します。
だから「何にお困りですか?」「何にお困りでしたか?」と聞いてください。
また既にご購入いただけた方からは「なぜ他社からではなく当社からご購入いただけたのですか?」と聞いてください。
マーケテンングリサーチは「雑談」の中で行うのが最も効果的な方法です。
6.実践マーケティングであなたがめざすもの「再現性の高い成功のシナリオ」
あなたがこれからマーケテンングを実践して完成させていくべきものは「再現性の高い成功のシナリオ」です。再現性の高い成功のシナリオとは、
□ どのようなお客さまに
□ どのような商品を
□ どのようなコンセプトで
□ ライバルとどのように差別化し
□ どのような方法と、どのような言葉で訴求し
□ どのような仕入先、どのような生産工程で、
□ どのような価格や納期で、
□ どこで、またどのような媒体や、告知方法で販売すれば、商品が安定的
に売れ続けるのか?
突き詰めると考えるべきことは上記に集約されます。今すぐに上記の「どのような」や「どこで」などの言葉をリアルな言葉に置き換えてみてください。
弊社の仕事はクライアントのために、この漠然とした「どのような」や「どこで」などの質問の答えを共に探し、再現性の高い成功のシナリオを完成させ、業績向上という実成果を上げることです。
今、「マーケティングの基礎を学びたいんですが?」という方に、私が自信を持ってお渡しできる無料の小冊子を制作しています。古典的なマーケティングの専門用語も解説したいと考えています。
ちなみに古典的なマーケティングの専門用語でも知っておくべきものは以下の5つだけです。
4P
3C
STP
SWOT
AISAS(AIDMA)
また解説させていただきます。
どうぞお楽しみに。