「社運を掛けたプロジェクトは失敗する!?①」をまずお読みください。
さて続きです。
ではプロジェクトはどのように始めれば成功することができるのか?
それはメンバーのモチベーションを、目標達成向けて右肩上がりになるように設計することで実現できます。これが本当の意味でのヒューマン・マネージメントです。では誰がその設計をするのか?それは経営者とプロジェクトリーダーです。
プロジェクトの開始の日に経営トップが来て叱咤激励をしてしまえば、その日をピークにメンバーのモチベーションは右肩下がりになるのは必至です。反対に小さな目標を達成し褒める。又、小さな目標を達成し褒める。そしてそこではじめて(達成不可能と思われる)大きな目標を提示する。こうすることでモチベーションは右肩上がりになります。
経営者も実績に比例してこのプロジェクトに徐々に期待を寄せてゆきます。業績の向上により生まれたモチベーションは、さらに大きな業績の向上をもたらします。この原理原則だけは忠実に守ってください。言葉で作り上げたモチベーションでは、成果は絶対に生まれません。だから何ら実績があがっていないうちには、絶対に持ち上げても、褒めてもいけません。
誤解をおそれずに言います。
「管理者とスタッフは仲間になってはいけません」
では管理者とスタッフの望ましい関係とはどのようなものでしょうか?
答えは簡単です。
管理者がめざすべきはプロジェクトの成功です。このただ1点です。ではそのために管理者はスタッフをどのように動かせばいいでしょうか?もちろん答(方法)はひとつではありません。しかし、正解はただひとつです。アプローチがどうであれ、スタッフが最高のパフォーマンスを出せるようにコントロールすることです。もっとわかりやすく言えば、リーダーは脚本家兼演出家兼名脇役となり、プロジェクトというサクセス・ストーリーの中でキャストを動かしてゆくのです。
だからあなたとスタッフは仲間ではいけません。あなたがコントロールするのです。あなたが決定したストーリーの中でスタッフを動かすのです。
難しそうですが、まったく難しいことではありません。ビジネスの世界ではストーリーも、エンディングも、テーマもどれもほぼ同じで単純だからです。でも誰もそう考えて動いている人はいません。
とても簡単なことです。もしリーダーであるあなたがスタッフの前で弱音を吐いたり、会社のグチを言うとどうなりますか?あなのストレスは解消されるかもしれませんが、スタッフのモチベーションは急降下です。こんな簡単なことがほとんどの人がわかっていません。いいですか?スタッフはあなたのことを仲間だとは思っていません。あなたに期待しているのはリーダーシップです。リーダーが仲間になることではありません。あなたが弱音やグチを言うことで、なにひとつ状況は改善されません。ならば言ってはいけません。絶対に。