戦略を浸透させよ!

2007/11/25 18:46:02

会議やプロジェクトなどで必ず起こる困った現象がある。それは蒸し返しである。既に結論が出ていたはずのことが、再び会議やプロジェクト内で議論されてしまう。これまで議論されてきたことは反故にされ、再び堂々巡りの議論が繰り返される。しかし、この蒸し返しは悪いことばかりではない。実は蒸し返すのが誰かにより、内容は大きく異なる。

プレイヤーであるプロジェクトメンバーなどのから蒸し返しが起きる場合。これは戦略がチームに浸透していないことを示している。戦略がチームメンバーの心に響いていない証拠なのである。メンバーの心に響くシンプルな戦略であれば、絶対にブレることはなく、蒸し返しも起こらない。つまりメンバーが蒸し返しを起こす場合には、責任はリーダーにある。
「何をいまさらそんな議論をしているんだ!」と一喝するチームリーダーは多い。だが戦略に最も近い位置にいるメンバーが、戦略を理解していないということは、危険な兆候である。

だがこれは決してその戦略が悪いという訳でもない。簡単に言えば戦略の下ろし方に問題がある。口頭で1回説明をして、議事録に残すぐらいでは、戦略は下には絶対に下りない。私は一貫性のあるシンプルなメッセージを1日3回、それを3ヶ月間以上続けた時に、はじめて戦略は下りると考えている。言葉は悪いが洗脳するぐらいの頻度が必要だ。そしてその戦略を実行するための、小さな行動を毎日実行することも習慣化させる必要がある。プロジェクトの前に一夜漬けで戦術を考えるような方法では絶対に成果は出せない。だから必要なのは習慣化である。

さて問題のある蒸し返しがある。それは経営リーダーなどのリーダーサイドからの蒸し返しである。これで戦略は骨抜きにされてしまう。もし過去に賛成した(多くの場合は「その時にはあえて反対はしなかった」という言い方であるが・・・)戦略を覆すなと言っている訳ではない。経営リーダーにはメンバーにはない豊富な経験がある。だから熟考した後に、話を覆すことは否定しない。だがそれはそれなりに覚悟が必要だ。

 

リーダーが一度決定した戦略に待ったを掛ける場合には、必ずメンバーに謝るべきである。