このデジタル一眼レフカメラは、母からのプレゼントです。
母は長年、絵画を描いています。
賞にはまったく興味がないようで、まったくのノンタイトルですが、個展をひらくとすべての絵を売りきってしまうこともあるようです。その場で母の絵に出会った人を魅了してしまう力が確かにその絵にはあります。
また母はパソコンをほぼ完璧に扱うことができます。インターネット検索、ネットゲーム、スカイプ、ブログ、メール、画像処理、ソフトのインストール・・・・何でも普通に出来ます。
もうパソコンのない人生は考えられないとまで言います。
父が亡くなるまではそうした才能があることにまったく気づいていませんでした。
そしてその母が新たに始めたのが写真撮影。
当初は絵を描くための資料として撮影をしていたようですが、最近では写真そのものの芸術性に目覚めたようです。確かに写真は絵画と同じように構図力が求められ、さらに言えば自分のイメージというフィルターを通してアウトプットできる絵画に対して、写真は自分の思い通りにならないもどかしさを楽しんでいるようにも見えます。
その母から突然、プレゼントしてくれたのが、このNIKONのデジタル一眼レフカメラ。母が愛用しているカメラとまったく同じ機種・同じ型番です。
一昨日、息子が小学校に入学しました。もちろんこのカメラを抱えて入学式に行きました。ピカピカのランドセル、ちょっと得意げな息子。母にも見せてあげたかった。
結局、遠くに離れて暮らす母に来てもらうことはできませんでした。入学式が始まりカメラの電源を入れて、ファインダーをのぞき、ピントを合わせてシャッターを押した時に気づきました。
同じ機種・同じ型番のカメラ。ここに母がいれば見ていたはずの風景がこのファインダーの中にありました。孫の入学を祝う気持ち、この場にちょっと来てみたかった想いが、このカメラには込められていました。
いつもありがとう。