講演でとても考えさせられるご質問をいただきました。
「総クレーマー時代に、これから我々は、どのように対処していけばいいのでしょうか?」
この答えは簡単ではありません。
しかし、ひとつだけヒントがあります。それは時代のうねりです。それは「心」の時代の到来を示唆するうねりです。これからは「本物」の時代が来ます。
「心から顧客の役に立ちたい」そして、そう心の底から考えた会社だけが生き残ります。
何日か前のブログにも書きましたが「喜ばれる」ではなく「感謝される」ことをめざすのです。あなたよりも深く顧客が頭を下げてくれる、あなたはそれよりも深く頭を下げる。そして顔を見合わせて笑い合う。そんなビジネスだけが成功します。
人と企業が心を許しあい信頼しあうことにより、ビジネスが成立する社会がきます。さまざまな「偽装」や「不祥事」そして、日常茶飯事になってしまった「謝罪会見」は、新しい時代の産声なのです。
これから訪れるのはクレーマー社会ではありません。「心」と「本物」の社会が来るのです。そしてさらに先には企業が顧客を選ぶ社会が来ます。殿様商売ではありません。信頼関係で結ばれたもの同士で、商品の売り買いが行われる。そんな社会が来ます。
これにより大企業や中央だけが勝つ時代も終焉します。小さな会社に、そして地方にチャンスが生まれます。
又、そんな社会の中では理不尽な要求をする顧客は、最終的に恩恵を受けることができなくなり淘汰されます。
こんな社会の到来前に養わなくてはならないスキルは、顧客を見る新たな視点です。どちらが上でもどちらが下でもない関係を構築できるスキルです。
でもこれは本当に難しいです。マクドナルドには「スマイル0円」というメニューがありましたが、従業員から本当のスマイルを引き出すためのコストは決してゼロ円ではありません。むしろここが最も困難で、最もコストの掛かる部分であるはずです。
あなたやあなたの会社の社員の「心」のあり方が、あなたの会社の最大の資産となる日も遠くはありません。